突然ですが、2020年から大学入試がガラッと変わるんですね~
マークシートで知識を問われる問題ばかりのセンター試験から、新しく「大学入学希望者学力評価テスト(仮称www)」を導入する動きが文部科学省で進んでいるとか。
知識を前提に、それを活用する思考力・判断力・表現力を問うテストへと「考える力を」問われる問題になりそうです。
うちの子どもたちは全員、新制度の試験に引っかかってしまいます。でも、”考える人”ってどうやって育てるの?
この本は、
この本の第1章の前半では、日本の教育に対して、
- 「地球社会に貢献できる人材の育成」
- 「日本人の思考特性」
- 「教育制度」
- 「以前よりものを考えなくなった日本の知の衰退の現状への警鐘」
などの側面から、大前研一氏の濃いメッセージが書かれています。、
後半には、現在世界で起こっている変革を広い側面から見ながら、なぜ日本からイノベーションが生まれなくなってきたのかを洞察し、打開するためには、日本の教育を「教える」から「考える」ものに帰る必要があると、熱く語られています。
未来を背負っていく子どもたちには、武器としての頭脳を磨く必要性があるのです。
第2章から第4章にかけては、この本のテーマでもある「“考える人"の育て方」として、またグローバル人材育成の有力な「解決手段」として、国際バカロレア(IB)の教育プログラムについて解説があります。
IB教育の導入に踏み切った公立の中高一貫校などの事例や現場の声を紹介されています。
色々付箋を付けながら読みましたが、一番ハッとさせられたのは第2章の以下のくだり。
日本の教育において圧倒的に欠けていることがあることに気づいたのです。それが、西洋の人々に見られるアピールする力、個人が考えて発信する力です。(P.160)
すでに、InstagramやYouTubeなど、インターネットでは個人が情報を発信してそれが世界を動かしています。昔では信じられない流れです。
情報を消費する側だけでなく、発信して世界を変えていくぐらいの人になってほしいな~、と母は我が子に願わずにはいられません。
ゲームばかりプレイせずに、ゲームを作る側になってみな!と息子には言っているし、漫画ばっかり読む娘には「オリジナル漫画を描いてみろ!」とか言ってるんですけどね…。
いうだけではダメか…(ぼそ)
子どもたちにばかり求めずに、自分から変わって行かなければいけないな~、と思いました。
最後に、レビュープラスさまより献本いただきました。ありがとうございました!
第1章 大前流「教育再生」論
1.地球社会に貢献できる人材の育成 11
2.日本人の思考特性――日本の企業はなぜ国際化できないか 24
3.ものを考えなくなった日本人 30
4.義務教育法・教育等価法 40
5.世界で、ビジネス界で起こっている変革――なぜ日本から世界的イノベーションがうまれなくなったのか 47
6.とがった一人の才能に日本は負け続けている 55
7.勝ち残る企業の条件「クラウドが迫るマインドチェンジ」――21世紀は「人・物・金」から「人・人・人」へ 62
8-1.「教える」から「考える」教育への変革の必要性――親として、どう教育と向き合うか 119
8-2.世界に見る、人材海外シフトの現状 121
9.グローバルリーダーに学ぶ思考法――当たり前のことを疑う「質問力」を身につけよ 125
10.頭脳という武器を磨き“新大陸の覇者"となれ 132
第2章 国際バカロレア(IB)教育の必要性
【序文】「国際バカロレア」が教育を変える ~グローバル社会を生き抜くために~ 143
1.日本の国際教育「これまで」と「これから」 149
2.インターナショナルスクールにおけるIB教育の価値 156
3.国際バカロレア 日本導入の舞台裏 159
第3章 国際バカロレア(IB)導入への動き
1-1.筑波大学 筑波 大学の理念とIB教育の共通点 169
1-2.IB入試の課題と期待 179
1-3.IB導入は“恐怖"ではない 187
2-1.「自立した札幌人」への第一歩 195
2-2.未来を切り開く「課題探究的な学習」 203
第4章 国際バカロレア(IB)教育における「グローバル人材」とは
1.「日本は、世界の中でのユートピア」 220
2.「地方こそ、グローバル人材を必要としている」 222
3.「グローバル人材は、“日本人らしさ"の再定義によって生まれる」 223
4.「“理解者"から、表現者・発信者へ」 226
5.「世界への扉を開くために」 228
6.“グローバル"の意味は、世界ではない 230
7.世界の多様性を受容する 231
終わりに 233