平和な時代ほど、子育てに熱心になる?! 昔生活にノスタルジーを感じてしまう私、同じくこどもみらい館で借りてきた、『「江戸の子育て」読本―世界が驚いた!「読み・書き・そろばん」と「しつけ」
』。旅行先に持参し、そっこーで読破しました。おもしろい!目次を見るだけで、子育て中の私としてはわくわくしてしまいます。
小学館
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第1章 「仮親」と子育てネットワーク
第2章 徳育・しつけは親がする
第3章 「遊び」を「学び」の入り口に
第4章 寺子屋での「学び」は一生もの
第5章 「年代別教育法」は花ざかり
第6章 子殺し習俗と育てる知恵 江戸時代、戦もなくなり身分の差はあれど、平和な時代でしたが、平和だと子どもの教育に熱心になるのですね〜、と読後の感想。
しかも、意識の高い親ほど、熱意と意思を持って子どものしつけ、教育にぶつかっていく様子が、文献を紐解きながら解説されています。
ところどころに掲載されている、子育ての様子が描かれている浮世絵がとても素敵!
最後のまとめが、江戸の子育て・教育を言い当てていると思うので、引用しつつ、肝に銘じておきます。 江戸の教育は基本的に「滲み込み型」である。
…(略)…
このように「滲み込み型」教育は、師匠との共生を通じて物事を徹底的に身につけ、それを生きる知恵や力にしていく可能性を秘めていた。親もまた、家業や家庭生活、地域との交流などあらゆる面で子どもの手本となりえた。江戸時代は「滲み込み型」教育がうまく機能する条件がそろっていたのである。
しかし、現代ではそういうわけにはいかない。親の職業を受け継ぐどころか、働く親の姿を目にすることもほとんどなく、親子が共有する時間も乏しい。世の変化はめざましく、子どもが直面する現実に大人の理解が追いつかない。ある意味、現代ほど子育てが難しい時代はない。
これを打開するためには、まず親の徳教から始めることだ。山本五十六の名言「やってみて、いってきかせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」には「滲み込み型」と「教え込み型」が見事に結実しているが、その第一歩は「やってみせ」である。「子育て」という大仕事に、ぜひ江戸の知恵を生かしたいものである。
(P.165-166)