『1Q84』が驚異的なベストセラーになっている村上春樹ですが、今さらながら『海辺のカフカ』にはまってしまいました。
本当は、『1Q84』を購入しようと思ったのですが、上下あわせると結構な値段だし、予約待ちしなければいけないし、そこまでして慌てて読む価値があるのかな、、、、とか思って、ネットで書評をながめていたのですが、、、 『1Q84』をやめて、なぜか『海辺のカフカ』をポチってしまいました。
海外でも評価の高いこの作品、どのあたりが外国人受けしたのか、興味があったからです。 上巻を旅先(といっても近所のホテル)に持参して、授乳しながら一気読み。
続きを知りたくて悶絶しながら帰途につくまで上巻を(これも授乳をしながらも)読み返し、自宅で(一気とはいかず)家事をしながらも下巻まで完読。
で、感想は、 もっと早く読んでおけばよかった!!! これまで村上春樹の小説といえば、『ノルウェーの森』を文庫本で読み、通学途中の阪急電車特急の中で涙を流しながら読んだことしかなく、村上春樹の小説といえば『ノルウェーの森』節なものばかりだと思っていたので、意外な驚きでした。 何が驚きかというと、摩訶不思議な謎の世界が、当たり前のように違和感なく(我々が当たり前として暮らしている)ごくありふれた?世界に沿って語られているところ。
物語の中に、有無を言わさず哲学的考察をさせられる含蓄が、押し付けがましくなく盛り込まれているところ。
作品を読みながら、
『ここの部分は、自分のことに当てはめてみると、どういう意味があるんだろう』と、
考えさせれました。
15歳の家出少年カフカ君と、猫とお話できる老人ナカタさんの、2人の話が交代交代で進んでいくのですが、このナカタさんのキャラが気に入って、2度目はナカタさんのパートだけ読んでしまいました。
個人的にお気に入りのところは、星野青年がナカタさんに曲がった背骨を直してもらうところ。ぜひ、私のも直していただきたい!!ついでに、広がりすぎた骨盤も、、、 いろいろな古典からの引用がでてきて、出典先を片っ端から当たってみたくなってしまいました。