【書評】親として子どもに何を伝えるべきか?『進化する教育』

旧ブログ
この記事は約7分で読めます。

大きな端末での読書がおすすめ

仕方がないので、iPadで再度、アプリと書籍データをダウンロードして、やっとじっくり読むことができました!

というわけで、電子辞書版で読む場合、大きな端末じゃないと読みづらいですよ。

はじめに
第一章:【21世紀の学びへ】 「次世代の学びへ」
第二章:【進化する大学】 ビジネス・ブレークスルー(BBT)大学
 1.すべてのチャンスある人たちへ
 2.大学教育への挑戦
 3.自分の人生の社長となれ
 4.答えのない21世紀を生きる皆さんへ(起業家指向の皆さんへ)
 5.<特典掲載 >オリエンテーション
1「グローバル経済と経営」
第三章:【進化する大学院】 BBT大学大学院、BOND-BBT MBA
 1.ビジネス・ブレークスルー大学大学院 ボンド大学大学院ビジネススクール -BBTグローバルリーダーシップMBAプログラム- 論理的思考は世界共通語 文句を言う前に解決策を出せ
 2.大前研一の語る「遠隔教育とMBA」
 3.BBT大学大学院とは
 4.BOND-BBT-MBAとは
第四章:【進化する学び】 大前研一の発信から学ぶ -Teach(教える)からLearn(学ぶ)への深化 <原発問題>
 1.原発ゼロを目指すのなら50%節電を国家目標とすべき <政治問題>
 2.「全国一律に」から訣別するとき
 3.「クオリティー国家」をつくれる政治家は誰か <ビジネス・経営問題>
 4.ジョブズ氏の強烈な思い出、アップルの今後とるべき道
 5.コモディティー化への対処は、PC撤退を決断したパルミサーノIBM会長に学べ
おわりに

iPadTouchでの画面iPadTouchでの画面

電子書籍の取得で大変だった

電子書籍提供サイト shinanobook.com から、データをダウロードしなければ読めないのですが、まず、iOS,Andoroid端末を利用する場合、専用ビューワーアプリをダウロードしなければいけません

アプリのレビューを見ると、あまり評判がよろしくない…で、まずAndoroidでアプリをダウンロードし、設定していざ、指示通りにデータをダウンロードしようとしたら、エラーがでてダウンロードできません!

しかも!他端末含め、トータルで5回までの制限となっています。

仕方がないので、IpodTouchでアプリと書籍データをダウンロードしたところ、読むことができました。

が、画面が小さすぎて、読みにくい!!

久しぶりに、レビュープラスさまより献本いただきました。
しかも、初めてのデジタル本です。

ちょうど子どもの習い事で、某子育て支援NPOのメーリングリストで話題になっていて、ちょっと迷い右だった私に、まさしく必要としているかもしれない方向性を与えてくれそうな本です。

ただ、電子書籍ってちょっとどうなんだろう…。 「わたしはわたし!」セルフ・ラブで幸福の扉を開ける15の鍵

「はじめに」で、大前氏は、い生き抜いていけるビジネスインパクトのある人材を、

「自分で物事を見て分析し、考え、構築でき、また新しいものを構想し、それを事業として生み出していける人材」

と定義しています。

そして、20世紀の工業化社会で通用した教育から、教育制度そのものを231世紀型の教育に変革する必要性を訴えています。

「教える」から「(自ら)学び取る力」 では、その力をつけるには、いま親である私たちは子供にどう伝えたらいいのでしょうか。

その答えともいえるものが、第1章にありました。

子どもに親が施したい「教育」とは

世界中どこに放り出されても裸一貫で生きていける「生存力」を子どもに身につけさせる、これこそが教育の目的のはずなのである。(P.13)

と、まず大前氏は定義されています。私も同感です。

ところが、今の日本の教育は、生徒全員が「右にならえ」的な受け身の教育のように思われます。はみ出るとたたかれる…私の学校時代もそうでした。今も変わらないのでしょうか。

しかし「言われた通りにできる」力は、20世紀の工業化社会には適していたのかもしれませんが、今は優秀な大学を出たからと言って就職が決まらない時代に入ってきています。学校の成績が優秀だからと言って、人生が安泰だとは限らない時代に来ているのです。それは、私のような普通の主婦にでも、なんとなく肌に感じられます。

大前氏は、現代の日本の学校でなされているような「型にはめようとする学校教育のダメージから、親が子どもの脳を守る」べきだと説いています。

では、どうすればよいのでしょう。

子どもがやりたいと思うもの、工夫してでもやりたいことは自由にやらせ、環境を整える。
(その際、この才能や将来性は考慮しない)という内容が書かれています。

なぜなら、最終的に勝負を分けるのは、才能よりも、その人の持つ情熱に裏打ちされた持続力や破壊力の方なのである。(P.14)

ああ、息子のLEGOに対する情熱とそれを支援する夫は、理想的なのでしょうか…。

そして親が教えるべきことは、

「自分」「家庭」「社会」「国家・社会」未対して責任を持つ、(p.15)

だと、大前氏は語っています。しかし学校では教えていない、だから親が教えなければいけないとか。

では、どうやって子に伝えるのでしょうか。

まず「自分に対する責任」が持てるようにする、つまり、教師の言うことをうのみにせずに自分の頭で判断するように伝えることだと、私は思います。

「家庭に対する責任」を持てるようにするには、子どもに「自分は立派な家庭の一員である、という自覚を促すようにすること。そのためには、親子のコミュニケーションが重要になってきます。

じゃあどうするかというと、夕食時にインテリジェントな会話をするといいのだそうです。新聞の時事問題について、あらかじめ子どもに調べさせ、夕食の話題にする、とか、家族旅行では子どもに立案させる、あるいは家族内コンペにする、とか。すごいです。面白そうだけど、まずは食事中にテレビの電源を消すことから始めなくては駄目だ~!!!

子どもの自立心とマネー感覚を磨くには、小遣い制をやめて、要は「お手伝いを賃金制にする」ことが有効だと説かれています。

「きちんとした仕事をすれば、それにふさわしい対価が得られる」ことを、身をもって学ぶことができる、と書かれています。

このことに関して、娘が居間をきれいに片づけて「お小遣いちょうだい」とやっていました。

それに対して父親たる夫が、「家族の一員として、部屋をきれいに使うことは当たり前」と諭していました。

私としては、部屋が散らかっていれば親が結局やってしまう、その手間を考えたら、娘に部屋掃除をアウトソーシングしたいなぁ、と思うのですが…それは、夫婦での価値の違いになるのでしょう。話し合いが必要ですね。

日本の家庭でも、ユダヤ人ファミリーのように、お金に関する教育を家庭で施さないと、マネーリテラシーの低い人間になってしまうだろう、ということです。これはお金の計算が弱い私には耳が痛いところ…です。

「社会に対する責任」が持てる子どもを育てるには、「サマー・キャンプ」に参加させて、グループワークやリーダーシップなどを学ばせるとよい、とあります。

これは私も同感で、子どもを週1回の英語教室に通わすよりは、普段は英語DVDなどを見せて英語に鳴らしておいて、毎年2週間ほどの英語圏のサマー・キャンプに掘り込む方が、よっぽどいいのではないかと考えています。

「国家・社会に関する責任」に関しては、基本は親が行動で示すことだと述べられていますが、家庭内の努力だけでは難しく、抜本的な教育改革が必要だろうと〆られていました。

以上19ページまでに、なかなか刺激的でちょっと取り入れてみようか、という方法や考え方が書かれていました。

その後、刺激的な論評が展開されるわけですが、これまでの考え方からは型破りです。読み物として面白いです。

後半は BBT大学についての話になってきますが、既存の子どもへの教育に疑問を持たれる方は、第1章は必読ではないでしょうか。

iPadでの画面iPadでの画面

タイトルとURLをコピーしました