「自分も大事にする母親になる」
そんなキャッチフレーズに捕まって読んでみましたが、手元においておきたいくらい参考になることが詰まっています。
この本では、学歴が強みでなくなった時代に、子どもにいったい何を与えられるのか、親としてどうして行けばいいのか、考察がなされています。著者は子育てや教育などをメインとしたライターであるとともに、お母さんでもあります。なので、自分の体験と、これまで取材してきた生の声を元にした主張には説得力があり、読み進めながらうんうん頷いていました。自分の本なら、マーカーだらけにしてしまっていたことでしょう。
不透明な現在において、子どもに与えたい能力は「生きる力」、それは「困ったら適切な人に協力を求め、自分も他人に求められたら協力する力」とあります。そして、それはお母さんにも必要な能力ではないでしょうか。でも、学歴が高いほどいいと言われた社会の中で育った私たちの世代には、一番ないものです。そうして、自己評価が低いまま子どもを育てざるえないのです。これは不幸なことだな、と感じるとともに、もっと自分に自信をつけて楽しく子育てしていかなくちゃな、と感じました。この本では、自信をつけるために楽しく子育てする以下の「心得6条」があげられています。
心得1◆他人と比べない
心得2◆お受験は無効
心得3◆友人を増やす
心得4◆迷惑かけてもいい
心得5◆集団で遊ぶ子に
心得6◆子どもと共通の体験を
子育て中のお母さんに限らず、すごく重要なことが入っているなぁ、と感じました。そして、もっと子どもと一緒にどんどん素敵な体験を積み重ねて生きたいな、と思いました。
さらに本書には、「もっと子育てを素敵にするための自分育ての具体的な方法」まで用意されています。また、お勧めの本が著者の体験とともに紹介されています。思うように行かなかったりして落ち込んでいたときだったので、読んで元気が沸いてきました。いや〜、母親業も主婦業も自分業も、貪欲にがんばろうっと!
広済堂出版 (2000.10)
通常1-3週間以内に発送します。